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日向灘「割れ残り」か 京大分析、M7級再発恐れ

2024年8月13日
 宮崎県で最大震度6弱を観測した8日の地震で、震源域のプレートが破壊されずに残る「割れ残り」が生じている可能性があることが、京都大防災研究所宮崎観測所(宮崎市)の分析で分かった。同観測所の山下裕亮助教は「割れ残りが生じている場合、マグニチュード(M)7クラスの地震が再び発生する可能性が高い」と指摘。備えや警戒を県民へ呼びかけている。

 国土地理院などによる解析を基に、同観測所が現時点での分析結果をまとめた。山下助教によると、今回の地震は宮崎市沖で約30年周期で発生しているM7クラスの地震の一つ。直近では、1996年10月にM6・9、12月にM6・7の地震が起きている。今回の地震は当初、この2回の地震の震源域が一度にまとめて破壊された可能性があると考えられていた。
 
ただ、その後の地震の発生状況など追加の解析結果から、96年10月の震源域が破壊されていない「割れ残り」がある可能性が高いことが判明。この震源域で再度、M7クラスの地震が起きる可能性が浮上した。

 発生のタイミングは予測できず「30年前のように2カ月後ほど間が空いたり、数週間後や年単位になるかもしれない」。割れ残りがあるとみられる震源域は、今回の地震の震源域から北東方向へ数十キロの位置。96年12月の震源域は、今回の地震で一部破壊された可能性があるとみている。

 また、同程度の地震が発生した場合、震源がより浅いため「津波がもう少し大きくなる可能性がある」と同観測所。今回の地震では宮崎港で50センチの津波を観測した。「1メートルを超えると津波警報が発表されるため、沿岸部の人は注意してほしい」としている。

 山下助教は「8日以降、地震は減っているが、日向灘のプレート境界の不安定さは続いている」と現状を分析した上で「今回指摘した日向灘での地震は、南海トラフ地震が起きる可能性より高い。県民の皆さんはまず、日向灘で今起きていることに十分注意を払ってほしい」と強調している。

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