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【SNS特報班】地震で日南の霊園 墓石、骨つぼ損壊

2024年9月8日
市「手出しできない」/個人所有物、補助予定なし

 震度6弱を観測した8月8日の地震後、日南市内の霊園にお盆の墓参りに行ったところ、墓石や墓標などが倒壊し、ひどいものは骨つぼの中の遺骨がむき出しになっているものもあった。市役所に連絡したが、対応は難しいとのことだった。分かってはいるが状態が深刻なだけに、何とかならないか。日南市・男性(39)

 男性はお盆入りの13日、市中心部にある墓地を訪れた。すると、地震の影響で墓が10基ほど倒れていた。納められていた骨つぼが墓石の重みでつぶれ、遺骨も粉々。3日後訪れた際は多くの墓石は戻されていたが、1基だけそのままで、遺骨も野ざらしの状態だった。「誰の墓か分からないが、いたたまれない気持ちになった」といい、市に相談した。しかし「墓は個人の所有物なので、行政での対応は難しい」との回答だったという。

 一方、全24基の墓石が倒れるなど甚大な被害を受けた同市大窪の通水霊園。市の担当者に惨状を見てもらったものの、復旧への費用補助や支援は難しそうな雰囲気だったという。被害に見舞われた住民は「墓石を元の位置に戻すだけでも結構費用がかかる。少しでもいいから、補助があれば助かるが…」。

 市地域自治課に聞くと、今回の地震による墓石への被害は市内8カ所の市営墓地で損壊、一部損壊合わせて約50基。民営墓地は市内3カ所で壊滅的な被害を確認しているが、全ては把握しきれていないという。

 地震後、市民からの問い合わせも多く、同27日現在で50件超。「墓が崩れて修復したいが、補助は出ないか」という内容や、「墓じまい」で遺骨を移動させるために必要な「改葬許可証」の申請相談、遠方者から墓の状態を尋ねるものなど多岐に及ぶ。

 修復費用の補助に関して同課は「墓はあくまで個人の所有物なので、補助の予定はない」と回答。放置状態になっている骨つぼ・遺骨については「お気持ちは分かるが、市として手出しはできない」とする。

【写真】8月8日の地震で壊滅的被害を受けた通水霊園(本文の墓石、骨つぼが手付かずになっている墓とは関係ありません)

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