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元気出るブラボー

2022年12月7日
 昨日は、あちこちの職場であくびをかみ殺していた人が多くいた。日本時間の未明に開催したサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会の日本対クロアチア戦。日本は初の8強入りが懸かった一戦だった。

 本県ではインターネットTVで観戦する人が多かったようだ。日本がPK戦の末に惜敗。予選リーグで強豪ドイツとスペインを破り、大変期待が高かったので残念だった。とはいえ冷静に考えれば、欧州や南米に比べて遅れていた日本サッカーの進歩は驚異的だ。

 わずかな点差で頻繁に格付けが覆るシビアな競技。きめ細かい連係と粘りでここまで勝ち進み、さわやかな感動を与えた日本代表を賞賛したい。何度も長友佑都選手が選手たちをたたえて叫んだ「ブラボー」が自然と口をついて出る。「日本国語大辞典」にも載る感嘆詞だ。

 歓喜したり賞賛したりしてあげる叫び声で「でかした」や「よくやった」という意味で使われる。フランス語だが、英語を通して早く日本には定着した。明治時代に坪内逍遙や夏目漱石らが使用した例が紹介されている。フランスやイタリアのリーグでも活躍した長友選手らしい最高のほめ言葉だ。

 長友選手は祖父が都城市出身。本県に多い姓で格別親しみを感じる。日本代表を長年牽引(けんいん)してきたベテランの役割を自覚し、プレーだけでなくムードメーカーにも徹していた。終始、周囲を元気づけた存在感が日本代表の活躍ぶりとともに記憶に残るだろう。

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