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4年後の「世界線」

2022年12月9日
 今の若い人が使っている言葉を知るのは楽しい。これもその一つ。「世界線」である。元々は相対性理論で用いられる物理用語らしいが、今の若者は「パラレルワールド」のような意味で使っているようだ。

 初めてこの言葉を聞いたのは3年前。人気バンドの「もっと違う関係で出会える世界線」という歌詞だった。2度目は最近。「選挙権が40歳からになった世界線」。県選管が主催する「若者に届く! 届ける! 選挙啓発動画作品コンテスト」の最優秀作の題名だ。

 若者の選挙への意識向上などを目的に、県内の高校生、大学生、専門学校生から募集。前述の「選挙権が―」は、日向市の富島高情報処理部の作品。若者の投票率があまりに低いため、選挙権年齢が40歳以上になった「世界線」を、同校の生徒がミニドラマで描いている。

 きのう、知事選が告示され、17日間の選挙戦が始まった。宮崎市の街中では、何度も選挙カーとすれ違った。今後、3人の候補者はさまざまな場や手段を通じて政策や政治理念などについて精力的に訴えていくだろう。2週間ちょっとの期間だ。若い人たちにもぜひ、関心を持って耳を傾けてほしい。

 「選挙啓発動画作品コンテスト」の入賞作は全部で四つ。県のホームページで見ることができる。選挙は、よく聞くように「誰がなっても同じ」では決してない。今後4年間の、ふるさと宮崎の”世界線”を決めるのは、若者を含めたすべての有権者である。

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