人権が尊重される年に
2022年12月10日
終戦から3年。1948年のきょう12月10日、パリのシャイヨ宮殿で3回目の国連総会が開かれた。ここで「世界人権宣言」が採択される。世界の全ての人々と全ての国々とが達成すべき共通の基準である▼これにちなんで、翌々年の50年には、この日を「世界人権デー」と定めた。きょうは4日に始まった「第74回人権週間」の最終日でもある。「人権」の文言そのものが入っているか否かは別にして、人権に関する記念日、週間、月間を探してみるとけっこうある▼「国際人種差別撤廃デー」(3月21日)「ハンセン病を正しく理解する週間」(6月下旬)「世界子どもの日」(11月20日)「女性に対する暴力撤廃の国際デー」(同25日)など。1996年制定と比較的新しいが、ユネスコの「国際寛容デー」(同16日)というのもある▼法の厳密な定義は別にして、人権は「人が人として尊重され、自由に考えたり行動できたりする権利」ということだろう。言うまでもないが…。今年も「十大ニュース」をはじめ、1年を回顧する時期となった。改めて振り返ると、国内外ともに、その人権がないがしろにされる出来事が多かった▼一方でそうした人権を軽視する行為が、社会から厳しく糾弾されるケースが増えてきたのも事実だ。来年はこうした動きがさらに加速するためにも、尊厳を踏みにじられた人々がより声を上げやすい年になってほしい。来年を語るにはまだ少し早いけれども。