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「リ」とか「レ」とか

2023年1月13日
 比較的新しいところでは「リノベーション」(中古住宅の改修)。古いところでは「リストラクチャリング」、略して「リストラ」(再構築)。日本においては専ら「整理解雇」という意味で使われている。

 私たちが普段使っている外来語に「再び」「繰り返し」を表す「リ」「レ」が頭に付く言葉は多い。「リターン」「リハビリテーション(リハビリ)」もそう。あの「レストラン」だって、元々は「再び良好な状態にする」というラテン語に由来する言葉である。

 さて、冒頭のリノベーションだが「住宅の改修」なら「リフォーム」があるじゃないかという気もする。だが、リフォームが「新築に近い状態に戻す」という意味であるのに対し、リノベーションは「既存の建築物に工事を加え以前より価値を高める」ことを指すという。

 リノベーションの方がより大がかりということなのだろうか。こうした「リ」や「レ」のつく新語が、最近やたらと目や耳に入ってくる―そんな気がする今日この頃である。社会人の学び直しのことを「リスキリング」と言ったり「リカレント教育」と言ったり。これもまた、どこがどう違うのか。

 どうやら主体が「企業」か「学び直しの本人」かの違いらしい。次々と現れる外来語についていくのがやっとで、思わず「それ、日本語じゃだめ?」と言いたくなる。カタカナばかり書いていたら疲れてきた。ここらで一息ついて脳のリカバリー(回復)を―。

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