ホーム くろしお

新年号と地域の課題

2023年1月22日
 終わったが、宮日会館1階のイベントプラザで開かれていた全国の主要地方紙とブロック紙の新年号展示会は、地域が抱えている問題に住民や行政がどう立ち向かっているかが分かって興味が尽きなかった。

 新年号とりわけ元日号の1面は、大きな生ニュースがない限り各紙が最も重視する問題をトップに掲げる。多くは本県にも共通する問題で、今後の地方の方向性を考える上で参考になる。ちなみに本紙は中山間地域の現状や課題を探る年間企画のスタートだった。

 コロナは今も経済活動や暮らしに大きな影響を与えているが、ウィズコロナの模索も始まっている。北海道新聞は徹底した隔離から通常診療へ体制変換を図る医療センターのルポ。山陽新聞(岡山県)は感染防止に努めながら開くマラソン大会や商店街のにぎわいを伝える。

 秋田魁新報は海外に活路を見いだす漆器、徳島新聞はサーモンの養殖、信濃毎日新聞は海外種との交配による新・信州豚などブランド開発の試みを紹介。北國新聞(石川県)は文化観光振興に県が100億円規模の基金創設、長崎新聞は行政だけでなく企業や大学が新興企業を支援する動きを追った。

 中国(広島県)、四国(香川県)、伊勢(三重県)の各新聞はG7広島サミット、北陸の各紙は北陸新幹線への期待。一方で沖縄県の琉球新報は、対中国で有事の拠点化が進む現状に不安を露わにする。意外に春の統一地方選を前面に出した地方紙はまれだった。

このほかの記事

過去の記事(月別)