赤く光るメダカ
2023年3月12日
巨大化した昆虫や猛毒化したハチが人を襲う。1970年代ごろ、異常に変化した生物が騒動を起こすSF映画がよく見られた。今見返すと特撮のつたなさが目立つが、現実感もあってそれなりに怖かった。
当時は異種を掛け合わせるか、放射能が影響して生物が変異する内容が大半だったと思う。無理もない。遺伝子組み換え操作が確立したのは80年代だ。人為的に加工したDNAを細胞へ導入する技術によって、自然にはない生物を作ることができるようになった。
ただ野放しにしては生態系が乱れる。遺伝子の組み換えで赤色に光るメダカを育てたりしたとして、警視庁は厳格なルールを定めたカルタヘナ法違反の疑いで5人を逮捕した。大学の研究室から持ち出した卵から繁殖し、展示会等で高値で売られたケースもあったらしい。
遺伝子組み換えがすべて”悪”というわけではない。国立環境研究所によると、大腸菌にヒトインシュリン遺伝子を導入することでヒトインシュリンの大量生産に成功し、糖尿病患者の寿命が飛躍的に伸びた。除草剤耐性遺伝子を導入した農作物が作られ、食料の安定的な生産を可能にした例もある。
観賞用なら赤く光るメダカもOKでは、という意見もあるだろう。しかし今回も用水路に廃棄されていたが、管理が緩くて自然の中で繁殖すれば在来種を急速に減らす可能性がある。生物多様性の保全は世界的な責務。怪しい新種を見かけたら警戒していい。
当時は異種を掛け合わせるか、放射能が影響して生物が変異する内容が大半だったと思う。無理もない。遺伝子組み換え操作が確立したのは80年代だ。人為的に加工したDNAを細胞へ導入する技術によって、自然にはない生物を作ることができるようになった。
ただ野放しにしては生態系が乱れる。遺伝子の組み換えで赤色に光るメダカを育てたりしたとして、警視庁は厳格なルールを定めたカルタヘナ法違反の疑いで5人を逮捕した。大学の研究室から持ち出した卵から繁殖し、展示会等で高値で売られたケースもあったらしい。
遺伝子組み換えがすべて”悪”というわけではない。国立環境研究所によると、大腸菌にヒトインシュリン遺伝子を導入することでヒトインシュリンの大量生産に成功し、糖尿病患者の寿命が飛躍的に伸びた。除草剤耐性遺伝子を導入した農作物が作られ、食料の安定的な生産を可能にした例もある。
観賞用なら赤く光るメダカもOKでは、という意見もあるだろう。しかし今回も用水路に廃棄されていたが、管理が緩くて自然の中で繁殖すれば在来種を急速に減らす可能性がある。生物多様性の保全は世界的な責務。怪しい新種を見かけたら警戒していい。