推定無罪の原則
2023年3月20日
「被告人は以前より被害者に恨みを抱いており…」「異議あり! 裁判長、検察の今の発言は臆測に過ぎません」―。ドラマなどで目にする、刑事裁判における検察官と弁護士の丁々発止のやりとりである。
現実にはこんな派手な場面はめったにないが…。検察側は被告人が罪を犯したことを、弁護側は無実であることをそれぞれ証明しようとしているかに見えるが、実はさにあらず。弁護側が無罪を証明する必要はない。検察側が犯罪を証明しなければならないのだ。
「全ての被告人は無罪と推定される」という原則があるからだ。さて、放送法の「政治的公平」に関する総務省の内部文書をめぐって「(文書が)捏造(ねつぞう)でなかったら辞職するか」と問うた野党議員に「結構ですよ」とたんかを切ったのは、高市早苗経済安全保障担当相だ。
その後、総務省が「公的な行政文書」であることを認めたが、高市氏は「捏造」だと断じた主張を「撤回するつもりはない」という。文書の自身に関する部分は不正確であると強調し「議員辞職を迫るのなら、文書が完全に正確なものであることを相手も立証しなければならない」と主張している。
「売り言葉に買い言葉」でもって自身の進退をかけてしまった上に、刑事裁判よろしく”推定無罪の原則”を掲げ続ける高市氏である。この結末やいかに。少なくともドラマで描かれる刑事裁判のようにすっきりとしたエンディングは期待できそうにもない。
現実にはこんな派手な場面はめったにないが…。検察側は被告人が罪を犯したことを、弁護側は無実であることをそれぞれ証明しようとしているかに見えるが、実はさにあらず。弁護側が無罪を証明する必要はない。検察側が犯罪を証明しなければならないのだ。
「全ての被告人は無罪と推定される」という原則があるからだ。さて、放送法の「政治的公平」に関する総務省の内部文書をめぐって「(文書が)捏造(ねつぞう)でなかったら辞職するか」と問うた野党議員に「結構ですよ」とたんかを切ったのは、高市早苗経済安全保障担当相だ。
その後、総務省が「公的な行政文書」であることを認めたが、高市氏は「捏造」だと断じた主張を「撤回するつもりはない」という。文書の自身に関する部分は不正確であると強調し「議員辞職を迫るのなら、文書が完全に正確なものであることを相手も立証しなければならない」と主張している。
「売り言葉に買い言葉」でもって自身の進退をかけてしまった上に、刑事裁判よろしく”推定無罪の原則”を掲げ続ける高市氏である。この結末やいかに。少なくともドラマで描かれる刑事裁判のようにすっきりとしたエンディングは期待できそうにもない。