心の重荷を軽くして
2023年3月21日
新年を迎えたのはつい最近の気がしていたが、もう1年の4分の1が過ぎようとしている。初日の出を拝んだ元日に比べ、日の出は1時間ほど早くなった。きょう春分の日。昼と夜の長さがほぼ同じになる。
あすから夏至を経て秋分の日までは昼の時間が長い。きょうを挟んで前後3日の計7日間、つまり18~24日が「春の彼岸」。秋の彼岸は、秋分の日を挟んだ9月20~26日だ。春と秋に来る彼岸だが、俳句では一般的に「彼岸」とだけいうと春の彼岸を指すらしい。
言うまでもないが彼岸を詠んだ句は多い。正岡子規は〈毎年よ彼岸の入に寒いのは〉が有名。このほか〈世の中を笑ふてくらす彼岸哉〉がある。彼岸をテーマにしたものではないが、同じく「世の中」で始まる子規の句をもう一つ。〈世の中の重荷おろして昼寝かな〉―。
二つとも洒脱(しゃだつ)な句に見えるが、これらの句を詠んだとき子規は「不治の病」だった結核に冒されていた。闘病生活の中で前を向こうとしていたのか。ただ、実際はそう簡単に達観できるものではなかろう。昨年、国内の自殺者が2年ぶりに増加となった。原因・動機は健康問題が最多だったという。
今月は自殺対策強化月間。厚労省のポスターには「人に話すことで心が軽くなるかもしれません」とある。子規の句のように”重荷”を降ろせないまでも、少しでも軽くできたなら―。県は、自殺予防ポータルサイト「ひなたのおせっかい」を開設している。
あすから夏至を経て秋分の日までは昼の時間が長い。きょうを挟んで前後3日の計7日間、つまり18~24日が「春の彼岸」。秋の彼岸は、秋分の日を挟んだ9月20~26日だ。春と秋に来る彼岸だが、俳句では一般的に「彼岸」とだけいうと春の彼岸を指すらしい。
言うまでもないが彼岸を詠んだ句は多い。正岡子規は〈毎年よ彼岸の入に寒いのは〉が有名。このほか〈世の中を笑ふてくらす彼岸哉〉がある。彼岸をテーマにしたものではないが、同じく「世の中」で始まる子規の句をもう一つ。〈世の中の重荷おろして昼寝かな〉―。
二つとも洒脱(しゃだつ)な句に見えるが、これらの句を詠んだとき子規は「不治の病」だった結核に冒されていた。闘病生活の中で前を向こうとしていたのか。ただ、実際はそう簡単に達観できるものではなかろう。昨年、国内の自殺者が2年ぶりに増加となった。原因・動機は健康問題が最多だったという。
今月は自殺対策強化月間。厚労省のポスターには「人に話すことで心が軽くなるかもしれません」とある。子規の句のように”重荷”を降ろせないまでも、少しでも軽くできたなら―。県は、自殺予防ポータルサイト「ひなたのおせっかい」を開設している。