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ドラマチック・デー

2023年3月23日
 「ドラマチック・デー」なる記念日がある。あさって3月25日だ。1956年のこの日、プロ野球・巨人の樋笠一夫という選手が史上初となる「代打逆転サヨナラ満塁ホームラン」を打ったことに由来する。

 この日が「昭和のドラマチック・デー」なら「平成」のそれは2009年の3月24日(日本時間)を推したい。日本代表が韓国と対戦したWBC決勝。九回裏の土壇場で韓国に同点とされて迎えた延長十回。イチロー選手が決勝打となる2点二塁打を打った日だ。

 時代は令和になり、一昨日のWBC準決勝メキシコ戦。1点を追う九回、村上宗隆選手が二塁打を放ち逆転サヨナラ勝ちを果たした。イチロー、村上選手ともに「二塁打」だったこと、それまで不振に苦しんだ末にここ一番の場面で期待に応えたという点が共通している。

 というわけで、令和の「ドラマチック・デー」は準決勝の3月22日で決まりと勝手に考えていた。決勝戦を見るまでは―。ところがその決勝戦。先制されてもすぐに追いつく。そして逆転。最後は「投手大谷」が締め―。最後の最後までハラハラドキドキ。全員野球でつかみ取った3大会ぶりの栄冠だ。

 準決、決勝ともドラマチック・デーにしたいほど興奮と感動の2日間だった。村上選手は、子どものころに見たイチロー選手の決勝打に触発されたと語っている。今回の侍ジャパンの活躍に見入った子どもたちの中からも必ず未来の「侍」が出てくるだろう。

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