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入学式の桜

2023年3月27日
 昨年春、本紙「若い目」に載った綾小6年(当時)の上島日和(ひより)さんの作文。入学式に出て、自分が1年生だったころの6年生の気持ちに思いをはせるとともに小学校最後の1年に向けた抱負もつづっていた。

 最後はこう結ばれている。「下級生、特に1年生との交流を深めていこうと、終わりかけの桜を見ながら思いました」。「終わりかけの桜を見ながら」という一節から思いが伝わってくる。その彼女は今春、自身が新入生となる2度目の入学式を迎えるのだろう。

 父母らと一緒に校門を通る新入生、そこには満開の桜…。一般に小学校の入学式を描いたイラストは、そういったものが多い。だが、残念ながら宮崎では、この作文のように入学式のころには総じて桜のピークは過ぎている。満開の桜がある入学式ならば最高なのだが。

 いわゆる「菜種梅雨」なのか、県内の桜の開花が発表されて以降、ぐずついた天気が続く。きのうもそうだった。宮崎市の県総合文化公園では、満開ではないが見頃となった桜の下に人の姿はなく、あずまやで食事をするグループが見られた程度だった。予報では今週後半も天気はよくなさそうだ。

 菜種梅雨は催花雨(さいかう)ともいって、花の開花を促す雨といわれている。とはいえ、せめて週末だけでも降らずにいてほしい。きょう「さくらの日」。「さくら」および「咲く」の「さ」「く」の語呂合わせで、3×9=27(日)になることから制定されたという。

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