あなたにとってのウルトラマン
2023年3月28日
何の商品だったか、今となっては思い出すすべもないが、かなり前、雑誌か何かの広告で一つのキャッチコピーを目にした。「あなたにとってのウルトラマンは『彼』ではなかったか」。そんな文言だった。
そこに写っていたのは「帰ってきたウルトラマン」。思えば最初のウルトラマンが放送されたのは1966年。リアルタイムで見た記憶があるのは還暦以上の方だろう。それより少し下の50代後半の人たちにとってのウルトラマンは「帰ってきた―」ではないか。
最初のウルトラマンから5年後の71年。この翌年にテレビのカラー受信契約が白黒を超えたので、当時の子どもの半数近くはこの番組をカラーで見た計算になる。この「帰ってきた―」でウルトラマンに変身する地球防衛組織の新人隊員を演じたのが、団時朗さんだった。
高度成長期が終わりに差し掛かり、そのひずみとしての公害が社会問題となり、環境庁(現環境省)が発足。71年はそんな年だった。さらに先の大戦も遠い過去ではなかった。この作品の中には、旧日本軍が開発し、未使用のまま山中に埋められた毒ガスを怪獣が食べるというストーリーもあった。
そんな時代を背景に、悩んだり慢心したりと人間くさいヒーローを演じた団さんが亡くなった。ウルトラマンに変身した俳優は数多けれど、放送当時の社会情勢がこうも強烈に浮かび上がってくる役者さんもそういないのでは―。そんな思いが去来している。
そこに写っていたのは「帰ってきたウルトラマン」。思えば最初のウルトラマンが放送されたのは1966年。リアルタイムで見た記憶があるのは還暦以上の方だろう。それより少し下の50代後半の人たちにとってのウルトラマンは「帰ってきた―」ではないか。
最初のウルトラマンから5年後の71年。この翌年にテレビのカラー受信契約が白黒を超えたので、当時の子どもの半数近くはこの番組をカラーで見た計算になる。この「帰ってきた―」でウルトラマンに変身する地球防衛組織の新人隊員を演じたのが、団時朗さんだった。
高度成長期が終わりに差し掛かり、そのひずみとしての公害が社会問題となり、環境庁(現環境省)が発足。71年はそんな年だった。さらに先の大戦も遠い過去ではなかった。この作品の中には、旧日本軍が開発し、未使用のまま山中に埋められた毒ガスを怪獣が食べるというストーリーもあった。
そんな時代を背景に、悩んだり慢心したりと人間くさいヒーローを演じた団さんが亡くなった。ウルトラマンに変身した俳優は数多けれど、放送当時の社会情勢がこうも強烈に浮かび上がってくる役者さんもそういないのでは―。そんな思いが去来している。