ホーム くろしお

反転へのラストチャンス

2023年4月10日
 「きょうは多かったね」「ほんとやね」―。きのう投開票された県議会議員選挙。冒頭の会話は、わが地区の投票所である小学校の体育館前で、投票を済ませた高齢夫婦とすれ違う際に聞こえてきたものだ。

 「きょうは」と言っていたところから察するに、このご夫婦、どの選挙も毎回きちんと投票に足を運んでいるのだろう。自身も投票を済ませ、その後しばらく投票所の前で様子を見ていた。天気もよくしかも昼前とあって、確かにひっきりなしに人がやって来る。

 ただ、ほとんどが中高年層。若者はほとんどいなかった。若い人の有権者意識うんぬん以前に地区の若者が少なくなっているのだろう。調べてみたら、できてから40年ほど経過したわが団地の高齢化率は、県の平均を超えていた。昔は若い夫婦と子どもであふれていたが…。

 この「少子高齢化」もまた、県政の大きな課題である。年明けに4期目を本格始動させた河野俊嗣知事は、少子化対策などについて「攻めの姿勢に発想を切り替えて事業化していく」と語った。その河野県政をチェックするとともに、県民の要望や意見を県政に反映させる県議会の議員が決まった。

 「反転のラストチャンス」―。これは岸田文雄首相が少子化対策について述べた際に使った言葉である。この言葉を借りれば、コロナ禍から立ち直り本県が反転、浮揚するラストチャンスの4年。それぐらいの危機感を持って当選議員には臨んでもらいたい。

このほかの記事

過去の記事(月別)