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ネーミングは大事

2023年4月11日
 昭和、平成、令和、古くは大化に始まって応仁、天正、安政といった元号(年号)。その元号を柱に据え地域の歴史をひもとく企画展が開催中と聞いて、宮崎市高岡町の天ケ城歴史民俗資料館に足を運んだ。

 寛永15(1638)年に書かれた般若心経から、平成2年に製造されたワープロまで、地域に残るさまざまな史料ができた元号の時代に、地元で何が起きたかを紹介している。例えば、かの般若心経の年には「高岡隊、穆佐隊が島原の乱に出兵」といった具合だ。

 このほかにも、大化から令和まで全部で248ある元号の中で多く使われている漢字や、昔はどんなときに改元していたかといったことについて紹介されており、元号に関するトリビア(雑学的知識)が盛りだくさん。タイトルは「何が起きた!? 地域のヒストリー展」だ。

 このタイトルでなかったら行かなかったかもしれない。ネーミングの大切さを改めて思う。5日付本紙に載った「くまもと文学・歴史館」の企画展もそう。本県が舞台となった領主毒殺未遂事件をテーマにしたもので「どうする人吉藩~米良山毒薬事件!?~」。そのタイトルにひかれ行ってしまった。

 帰りに寄った熊本市のデパ地下。「ドライドサーディン」の商品名の横に「おしゃれでしょ」と添えたPOP。これも名前による効果を狙ったか。ただこれに関しては、やはり本来の「イワシの丸干し」の方が食欲をそそる。昭和の元号が染みついた世代には―。

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