「（１）温泉旅行。多くの温泉地があります。たとえば日南市の南郷温泉、えびの市の花見川温泉などが人気です。（２）海水浴。多くのマリンスポーツを楽しむこともできます。青島や日南海岸が人気あります」。

　人工知能（ＡＩ）を使った話題の対話型ソフト「チャットＧＰＴ」に「本県でゴールデンウイークをどう過ごすか」と尋ねて返ってきた答え。花見川温泉って何、と思い調べたら関東の温泉。海水浴もまだ寒い気が…。以下答えに自然散策や地元グルメなどが続く。

　明らかな間違いやハテナもあるが、大体無難な答えを列挙。情報産業に身を置く一人として「ＡＩをやり過ごすわけにもいくまい」と思い、わがパソコンで試したが、まずは「恐れるに足らず」だ。次いで「自治体の障害者雇用促進」や「日本初のカジノ」について尋ねた。

　質問が専門的になるといろいろな情報源から知識を集めて答えをそろえる。独自の意見はないが賛否両論交えて論述するのでうなった。無料の入門版しか試していないがデータの精度はさらに向上するはずだ。日本語で問答できるのも便利。学生らの調査や文章の能力が低下する懸念もうなずける。

　最近は収集するデータの著作権や個人情報流出の心配などで風当たりが強い。規制する国もある。それでもＡＩは私たちの生活にますます浸透するはずで、いかに付き合うか考える時が来たのは確か。え、この「くろしお」はちゃんと人の手で書いてますよ。