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ジャックと豆の木の勢いで

2023年4月23日
 このところの陽気で庭の雑草の成長が著しい。いくら取っても伸びてくる勢いで、特にカラスノエンドウというつる性の植物がよく茂る。紫がかったピンクの花はなかなか愛らしく、放っておくと実が付く。

 サヤエンドウを小さくしたような実は食べられて、キャンプの時には鍋に入れたりした。普段は食べないが、野菜の価格が高騰する折、非常食として残していてもいいかもしれない。ちなみに植えているフジも困るほど勢いがいいが、こちらも立派な実を付ける。

 それにしても、どちらもマメ科の植物だが生育の速さに英国の童話「ジャックと豆の木」を思い出した。作者は同じように、庭で瞬く間に生い茂るカラスノエンドウか何かに手を焼いて物語を着想したのではないか。種から一晩で雲の上まで伸びた豆の木にまつわる話だ。

 子供の頃テレビのアニメで見たが、巨人が追ってくるラストは怖くて夜寝られなかった。同名の「ジャックと豆の木」というマメ科の観葉植物もある。オーストラリア原産で、自生では40メートルの高さにまで達するというからびっくりだ。ちなみに可憐な花を付けるスイートピーもつる性のマメ科植物。

 宮崎市で開催中のG7農相会合で、会場を本県産の花々が彩る。日南市が日本一の生産量を誇るスイートピーなど本県の花卉(かき)を世界にアピールする狙いだ。生産者らは開花を会期に合わせるために苦心したと聞く。天まで昇る勢いで存在感を発揮してほしい。

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