足踏みの先にある成功
2023年4月29日
淡いブルーの星。幻想的でさえある。その星を幾重にも取り囲む輪もまた美しい。8日付の本紙に天王星の写真が載っていた。この星に輪があることが分かったのは、46年前の1977年3月10日のことだ。
数人の天文学者からなるチームが天王星の観測を行っていた。すると遠くの恒星が天王星の後ろを通過する際、その恒星の光が点滅した。恒星が自ら点滅することはないため、肉眼では見えない何かが恒星の光を遮ったことになる。その正体が「輪」だったのだ。
宇宙ベンチャーのispace(アイスペース、東京)の月着陸船が先日、月面に向けて降下したが、着陸直前に通信が途絶え失敗に終わった。同社によると、着陸船が認識していた月面からの高度に誤差が生じたことが原因らしい。結果、燃料が枯渇し落下したという。
日本初、民間で世界初となる月面着陸には大きな期待がかかっていたので残念だ。3月には日本の新型主力機H3ロケット1号機が「指令破壊」となった。相次ぐ失敗は痛いが、いずれもめげずに再挑戦してもらいたい。同社の袴田武史社長は「やり続けることが重要だと思っている」と前向きだ。
天王星の輪が見つかったのは、ガリレオが土星の輪を初観測してから370年近くたってからだった。だが、その後10年ほどの間に、木星や海王星の輪が相次いで発見された。このように足踏みをした後の一つの成功によって、事態が加速することもあろう。
数人の天文学者からなるチームが天王星の観測を行っていた。すると遠くの恒星が天王星の後ろを通過する際、その恒星の光が点滅した。恒星が自ら点滅することはないため、肉眼では見えない何かが恒星の光を遮ったことになる。その正体が「輪」だったのだ。
宇宙ベンチャーのispace(アイスペース、東京)の月着陸船が先日、月面に向けて降下したが、着陸直前に通信が途絶え失敗に終わった。同社によると、着陸船が認識していた月面からの高度に誤差が生じたことが原因らしい。結果、燃料が枯渇し落下したという。
日本初、民間で世界初となる月面着陸には大きな期待がかかっていたので残念だ。3月には日本の新型主力機H3ロケット1号機が「指令破壊」となった。相次ぐ失敗は痛いが、いずれもめげずに再挑戦してもらいたい。同社の袴田武史社長は「やり続けることが重要だと思っている」と前向きだ。
天王星の輪が見つかったのは、ガリレオが土星の輪を初観測してから370年近くたってからだった。だが、その後10年ほどの間に、木星や海王星の輪が相次いで発見された。このように足踏みをした後の一つの成功によって、事態が加速することもあろう。