「小さき人」への敬意
2023年5月11日
よく見聞きする「あの人は小さい人だ」なる表現は言うまでもなく、褒め言葉ではない。ここでの「小さい」は、人間としての度量や”器”であるからだ。だが、この人が言う「小さい人」は意味が違った。
NHKの教育番組「できるかな」の「ノッポさん」こと高見のっぽさん。彼の「小さい人」は子どものことを指す。なぜ「小さい人」なのか。「子どもだからといって、経験の浅い、物事をよく分かっていない存在とは、これっぽっちも思っていないからです」。
かつて絵本作家の葉祥明さんは「(赤ちゃんの)経験不足や未熟さは、今回のこの人生に対してだけ。大人より劣った至らない存在だと思ってはいけません」と、本のあとがきに記した。表現は違うが、幼い相手にも一人の人間として敬意を払おうという姿勢が共通している。
「ノッポさんの『小さい人』となかよくできるかな?」(小学館)の中では「小さい人たちの洞察力の鋭さたるや、大人の比ではないですから」と語っていた。大人の欺瞞(ぎまん)を見抜く”子どもの目”を知っていたのだろう。「できるかな」でも子どもに迎合するような演じ方は決してしなかったという。
「半年以上伏せてほしい」という遺志により亡くなったことがきのう伝えられたのっぽさん。「小さなひと」「大きな人(大人)」にかかわらず、人の人に対する敬意が失われがちな現代。その訃報に接し、改めてかみしめたいのっぽさんの「在りし日の言葉」だ。
NHKの教育番組「できるかな」の「ノッポさん」こと高見のっぽさん。彼の「小さい人」は子どものことを指す。なぜ「小さい人」なのか。「子どもだからといって、経験の浅い、物事をよく分かっていない存在とは、これっぽっちも思っていないからです」。
かつて絵本作家の葉祥明さんは「(赤ちゃんの)経験不足や未熟さは、今回のこの人生に対してだけ。大人より劣った至らない存在だと思ってはいけません」と、本のあとがきに記した。表現は違うが、幼い相手にも一人の人間として敬意を払おうという姿勢が共通している。
「ノッポさんの『小さい人』となかよくできるかな?」(小学館)の中では「小さい人たちの洞察力の鋭さたるや、大人の比ではないですから」と語っていた。大人の欺瞞(ぎまん)を見抜く”子どもの目”を知っていたのだろう。「できるかな」でも子どもに迎合するような演じ方は決してしなかったという。
「半年以上伏せてほしい」という遺志により亡くなったことがきのう伝えられたのっぽさん。「小さなひと」「大きな人(大人)」にかかわらず、人の人に対する敬意が失われがちな現代。その訃報に接し、改めてかみしめたいのっぽさんの「在りし日の言葉」だ。