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さみだれ式に―

2023年5月30日
 きのうの宮崎市は晴れたはいいが非常に蒸し暑かった。全国的には雨模様だったようで、気象庁は山口県を含む九州北部と四国、中国、近畿、そして東海の五つの地方で「梅雨入りしたとみられる」と発表した。

 毎年のことながら「梅雨」と聞くと、どうしても気分が沈みがちになる。一方「五月雨(さみだれ)」というと、こちらには情緒を感じる。五月雨とは旧暦5月の雨。つまり今の6月の雨なので、要するに梅雨のことである。言い方一つでずいぶんとイメージが変わるものだ。

 歌人の窪田空穂(くぼたうつぼ)は、ある梅雨の日に座敷に寝転んで外の雨を眺めていて「地球の4分の3は水が占めている」ということに思いを巡らせていた。すると「自分も海の底に棲息(せいそく)している魚ではないか」という感覚に見舞われたらしい。歌人の感性なのだろう。とても面白い。

 予報を見ると今後しばらく傘や雲のマークが続く。本県を含む九州南部の梅雨入りが発表されるのも時間の問題だろう。梅雨もだが、現在沖縄に近づきつつある台風の進路も気になるところだ。今年はもう梅雨にせよ台風にせよ、国内が大きな自然災害に見舞われることなく過ぎることを切に願う。

 「さみだれ式」なる言葉がある。梅雨期の雨のように断続的という意味。これまでまさに断続的にミサイルを発射してきた国が、今回また人工衛星と称する弾道ミサイルを発射しようとしているらしい。こちらは梅雨と違い終わりが見えない分、たちが悪い。

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