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アライグマに注意

2023年6月4日
 原産地の北米ではラクーンと呼ばれる。日本では水中に手を入れて獲物を探すしぐさが手を洗うように見えることからアライグマの名が付いた。愛らしいイメージが定着しているが、実は大変に気性が荒い。

 5月31日に県は美郷町の路上で1頭の死骸が見つかったと発表した。「大げさな」と思った人もいるかもしれない。だがアライグマの繁殖はもはや全国的な脅威。生態系を破壊し農作物を食い荒らすだけでなく、狂犬病にかかっている可能性があるので注意したい。

 実話を基にする人気アニメ「あらいぐまラスカル」の影響もあって、1970年代に米国から大量にペットとして輸入された。だが逃げたり、野に放たれたりして繁殖、生息域を拡大している。県によると、九州北部のほぼ全域で生息が確認され、南部にも広がっている。

 飼育や輸入は原則禁止だ。これまで県内で捕獲は9件、目撃件数も数件ある。目撃した場合は県や市町村の窓口への連絡を呼びかけている。アライグマはタヌキと間違われやすいが、長いしっぽに黒い横じまが特徴。体色も白っぽい。実はアニメの中でもアライグマは愛らしいだけの存在ではない。

 大変な雑食で、大きくなると気性が荒くなり近所の畑を荒らしたりする生態が描かれていた。最後は森に返すが、日本版のホームページでは「人間社会で野生動物を飼うことの難しさをリアルに描いた作品」と紹介。責任ある動物の飼育について考えさせる。

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