「省」の字の意味
2023年6月6日
「新大字典」で「省」の字源を見てみると「微小なものもつまびらかに見る」とある。意味はおおむね同じだが、もっとどぎつい説明をしているのが「本当は怖(おそ)ろしい漢字」(火田博文著、彩図社)である。
いわく「省の字にある『目』は役人の目。その役人が徴税は順調か、反乱の兆しがないかなど下々(しもじも)の生活を細かくチェックし取り締まるのが『省』」。ゆえに「官庁の一つ一つには『省』の字が付いており、個人情報を駆使し人々の暮らしを見張り律するのだ」と。
なかなか説得力のある解説である。もしそうであるなら「省」の付く機関が”下々の者”をチェックする上で便利なのは「その個人の情報をできるだけ集めて、一元化する」ということではないか。出身地に住所、家族構成に金融機関の口座、運転免許証の情報などなど。
先週、健康保険証をマイナンバーカードに一本化する「マイナンバー法」が成立した。さまざまなものが同カードに「ひも付け」されれば、確かに便利な面はあるだろう。だが、それは自分の情報がまとめて流出する危険性もあるということだ。実際に、個人情報の流出や不正閲覧は後を絶たない。
多くのトラブルが起きているにもかかわらず強固に推し進められているマイナンバーカード。現在、「省」は「かえりみる」や「はぶく」の意味。一度立ち止まって、これまで起きた問題をしっかり「省みる」時だろう。そのプロセスは「省く」べからずだ。
いわく「省の字にある『目』は役人の目。その役人が徴税は順調か、反乱の兆しがないかなど下々(しもじも)の生活を細かくチェックし取り締まるのが『省』」。ゆえに「官庁の一つ一つには『省』の字が付いており、個人情報を駆使し人々の暮らしを見張り律するのだ」と。
なかなか説得力のある解説である。もしそうであるなら「省」の付く機関が”下々の者”をチェックする上で便利なのは「その個人の情報をできるだけ集めて、一元化する」ということではないか。出身地に住所、家族構成に金融機関の口座、運転免許証の情報などなど。
先週、健康保険証をマイナンバーカードに一本化する「マイナンバー法」が成立した。さまざまなものが同カードに「ひも付け」されれば、確かに便利な面はあるだろう。だが、それは自分の情報がまとめて流出する危険性もあるということだ。実際に、個人情報の流出や不正閲覧は後を絶たない。
多くのトラブルが起きているにもかかわらず強固に推し進められているマイナンバーカード。現在、「省」は「かえりみる」や「はぶく」の意味。一度立ち止まって、これまで起きた問題をしっかり「省みる」時だろう。そのプロセスは「省く」べからずだ。