ネッシーとライオン
2023年6月9日
今年でちょうど90年になる。1933年のきょう、イギリス・スコットランドのネス湖に巨大な生物がいるという記事が、現地の新聞に掲載された。通称「ネッシー」。未確認生物(UMA)の代表的存在だ。
翌年には医師が撮影したとされるネッシーの写真が話題となった。恐竜らしきものが湖面から長い首を出して泳いでいるような写真である。だが60年後の94年、写真はおもちゃの潜水艦を使ったトリックだったと英紙が報道。「20世紀最大の悪ふざけ」と断じた。
とはいえその後も目撃談が後を絶たないほか2003年には、ネッシーとの関連づけはできないものの首長竜の背骨の化石4個が見つかった。5年前には国際的な研究チームが、幻の生物の存在を示すDNA残留物の探査に乗り出すなど、今もネス湖は話題に事欠かない。
ネッシーの写真に関与した人物は「ジョークだったが、引っ込みがつかなくなった」と話していたという。ネッシーが未確認生物の“走り”なら、この捏造(ねつぞう)写真は「フェイクニュース」の先駆けと言えるかもしれない。当時は社会に大きな迷惑をかけたわけではなかったようだが、今ならどうだろう。
7年前の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」とのデマ情報を投稿した男が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。昔とは違い、悪ふざけでは済まないことが多い現代。「ネッシーの日」は「フェイクニュースを考える日」でもあっていいかもしれない。
翌年には医師が撮影したとされるネッシーの写真が話題となった。恐竜らしきものが湖面から長い首を出して泳いでいるような写真である。だが60年後の94年、写真はおもちゃの潜水艦を使ったトリックだったと英紙が報道。「20世紀最大の悪ふざけ」と断じた。
とはいえその後も目撃談が後を絶たないほか2003年には、ネッシーとの関連づけはできないものの首長竜の背骨の化石4個が見つかった。5年前には国際的な研究チームが、幻の生物の存在を示すDNA残留物の探査に乗り出すなど、今もネス湖は話題に事欠かない。
ネッシーの写真に関与した人物は「ジョークだったが、引っ込みがつかなくなった」と話していたという。ネッシーが未確認生物の“走り”なら、この捏造(ねつぞう)写真は「フェイクニュース」の先駆けと言えるかもしれない。当時は社会に大きな迷惑をかけたわけではなかったようだが、今ならどうだろう。
7年前の熊本地震では「動物園からライオンが逃げた」とのデマ情報を投稿した男が偽計業務妨害の疑いで逮捕された。昔とは違い、悪ふざけでは済まないことが多い現代。「ネッシーの日」は「フェイクニュースを考える日」でもあっていいかもしれない。