学生による
2023年6月11日
ありがたいことに、自然災害の被災地に大勢のボランティアが駆けつけるようになった。結構な力仕事もあり、重宝するのが大学生などの若い力だ。県内でも昨年の台風14号の被災地では大学生が活躍した。
関東大震災から今年の9月1日で100年を迎える。あまり知られていないが、甚大な被害が発生したこの震災でも学生ボランティアが実績を残している。東京では迫る炎に人々は逃げ惑ったが、東京帝国大構内に避難した人の救護には学生が自発的に関わった。
教授らも支援。「東京罹災者(りさいしゃ)情報局」を設置し、学生約100人が各地の避難所で聞き取り、紙に名前、年齢、居住地、避難場所などを書き込んだ。避難者カードは20万人分に上り、日比谷公園に集約。生き別れた人がどこにいるか調べることができ、有効に活用された。
震災の翌年に出版された「大正大震火災誌」(改造社)は「学生諸君の熱烈な義侠(ぎきょう)的活動の下に実地に就き調査した避難者の名簿です」と功績を称賛。同様の避難者カードは今も防災用として活用されており、内閣府のホームページでは自治体の防災担当者、自治会向けに作成方法を紹介している。
避難ルートや頼りになる人の電話番号なども記して、携帯するか冷蔵庫に張っておくと安心感が増すはずだ。自然災害時にインターネット環境が有効か分からない。100年前の紙を利用した学生ボランティアの意義は色あせていない、とつくづく感心する。
関東大震災から今年の9月1日で100年を迎える。あまり知られていないが、甚大な被害が発生したこの震災でも学生ボランティアが実績を残している。東京では迫る炎に人々は逃げ惑ったが、東京帝国大構内に避難した人の救護には学生が自発的に関わった。
教授らも支援。「東京罹災者(りさいしゃ)情報局」を設置し、学生約100人が各地の避難所で聞き取り、紙に名前、年齢、居住地、避難場所などを書き込んだ。避難者カードは20万人分に上り、日比谷公園に集約。生き別れた人がどこにいるか調べることができ、有効に活用された。
震災の翌年に出版された「大正大震火災誌」(改造社)は「学生諸君の熱烈な義侠(ぎきょう)的活動の下に実地に就き調査した避難者の名簿です」と功績を称賛。同様の避難者カードは今も防災用として活用されており、内閣府のホームページでは自治体の防災担当者、自治会向けに作成方法を紹介している。
避難ルートや頼りになる人の電話番号なども記して、携帯するか冷蔵庫に張っておくと安心感が増すはずだ。自然災害時にインターネット環境が有効か分からない。100年前の紙を利用した学生ボランティアの意義は色あせていない、とつくづく感心する。