１２９年前、１８９４年のきょう、フランスの貴族で教育者でもあったクーベルタン男爵の提唱によりパリの国際会議においてオリンピックの復興が決定。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）が創設された。

　これを記念して、第２次世界大戦後の１９４８年、ＩＯＣ総会で６月２３日がオリンピックデーに定められた。この日は、各国の国内オリンピック委員会によって記念行事が実施される。日本では６４年大会の前年の６３年、東京で大規模なイベントが開催されている。

　２回目の東京五輪が終わったのは、つい最近のことのように感じていたが、１年後はもうパリ大会だ。各競技の選手たちからは同大会への意気込みの声がよく聞かれるようになった。彼らには期待と敬意しかないが、今でもそれ以外のところからは醜聞が入ってきている。

　フランス捜査当局が２０日、不正な利得や便宜供与の疑惑に絡み、パリ五輪組織委を家宅捜索したという。組織委は潔白を主張しているが、おとといはパリのスポーツコンサルタント会社も家宅捜索された。日本では東京大会を巡る汚職事件で現在、公判が進んでいる。「パリよ、お前もか」である。

　来年はＩＯＣ創設から１３０年であると同時に「商業五輪」が始まったといわれる１９８４年のロサンゼルス大会から４０年の年でもある。その節目の年に開かれる大会までに、近年の五輪につきまとう負のイメージを払拭（ふっしょく）できるのか。１年はあっと言う間だ。