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雨の神にひと言

2023年7月4日
 去年の今ごろは、すでに梅雨が明けていた―はずだった。6月27日に「本県を含む九州南部が梅雨明けしたとみられる」と鹿児島地方気象台が発表。16日間という過去最短の梅雨になると思われたのだが…。

 確かにそこから6月末にかけ晴天が続き、梅雨明けは事実と思われた。しかしその後、日本列島に前線が停滞。局地的な豪雨をもたらす線状降水帯発生の予報も出されるなど「梅雨末期」の状態になり9月に気象庁は「梅雨明けは、7月下旬だった」と修正した。

 それに比べ「梅雨らしい梅雨」となった今年は“お約束”とばかりに雨の日が続く。問題は、梅雨の期間の長さや雨の日の多さよりも「被害をもたらす雨が降るかどうか」だろう。先週末から大雨に見舞われている九州と山口県。きのうは熊本県に線状降水帯が発生した。

 熊本市では一時、約36万人に避難指示が出され、県内では寺院の建物が倒壊したり、橋が崩落したりするといった被害が出た。熊本は「2020年7月豪雨」で、死者67人と極めて大きな被害が出た県である。おととい犠牲者追悼式が行われたばかりだ。きのうは本県でも土砂崩れなどが発生した。

 今朝にかけ大きな被害が出ていないことを祈る。「雨のことば辞典」(講談社)によると雨の神のことを「雨祇(うぎ)」というらしい。「祇」は、天ではなく地の神。雨は「大地を潤す」からという。ならばその神にひと言。「潤いが過ぎてます。もういい加減…」

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