新たな真菌が脅威に
2023年7月5日
「見えないものとの戦い」といえば新型コロナや口蹄疫などウイルスの脅威が言われてきたが、最近は真菌の存在を意識することが多い。キノコや酵母、カビの一種のように生活に役立つ真菌の仲間もあるが。
真菌には植物の根に共生する種類がある。地下で菌糸を伸ばして互いにつながり、いわば巨大なネットワークを形成。栄養や情報もやりとりし、インターネットのような生態系とも言われる。県内のサツマイモ農家を悩ませている伝染病「基腐病(もとぐされびょう)」もその一つだ。
真菌は不思議な生き物で、細胞レベルでは動物に近く、有性生殖に加えて単為生殖もする。ユニークなのが昆虫に寄生して体を乗っ取り「ゾンビ化」させるキノコだ。地球温暖化の影響で人にも感染し文明が崩壊―。ゲームやドラマで見る発想だが、可能性は低いらしい。
だが新たな真菌が、似たような脅威になりつつある。6月27日付のくらし面で紹介した「カンジダ・アウリス」だ。院内感染が欧米やアジアで拡大し、世界保健機関(WHO)が注意を呼びかける。健康な人には無害だが、免疫が低下した人では死に至ることもある。日本でも感染拡大が懸念される。
アウリスの拡大にはなぞが多く、新型コロナと一緒に彗星(すいせい)が運んできたというとっぴな説もあるとか。実際は国境を越えた人の行き来が活発化したからだろう。真菌と人類の付き合いは古い。いかに制御し、利用するか。知恵勝負は果てしなく続くのだろう。
真菌には植物の根に共生する種類がある。地下で菌糸を伸ばして互いにつながり、いわば巨大なネットワークを形成。栄養や情報もやりとりし、インターネットのような生態系とも言われる。県内のサツマイモ農家を悩ませている伝染病「基腐病(もとぐされびょう)」もその一つだ。
真菌は不思議な生き物で、細胞レベルでは動物に近く、有性生殖に加えて単為生殖もする。ユニークなのが昆虫に寄生して体を乗っ取り「ゾンビ化」させるキノコだ。地球温暖化の影響で人にも感染し文明が崩壊―。ゲームやドラマで見る発想だが、可能性は低いらしい。
だが新たな真菌が、似たような脅威になりつつある。6月27日付のくらし面で紹介した「カンジダ・アウリス」だ。院内感染が欧米やアジアで拡大し、世界保健機関(WHO)が注意を呼びかける。健康な人には無害だが、免疫が低下した人では死に至ることもある。日本でも感染拡大が懸念される。
アウリスの拡大にはなぞが多く、新型コロナと一緒に彗星(すいせい)が運んできたというとっぴな説もあるとか。実際は国境を越えた人の行き来が活発化したからだろう。真菌と人類の付き合いは古い。いかに制御し、利用するか。知恵勝負は果てしなく続くのだろう。