蟻の一穴、それとも…
2023年7月6日
「幕末」の始まりっていつ? この答えについて一般的なのは、1853(嘉永6)年の「黒船の来航」である。ただし、それ以外にも諸説ある。その一つが1837(天保8)年の「大塩平八郎の乱」だ。
大坂町奉行所の元与力で陽明学者の大塩平八郎が、大飢饉(ききん)にあえぐ民衆の救済や、町奉行による腐敗した幕政改革を掲げ門人らと暴動を起こした。自宅に火を付けてコメを買い占めていた豪商宅などを襲撃したが、わずか半日で鎮圧され大塩は潜伏先で自害した。
反乱は失敗に終わったが、幕府に大きな衝撃を与えた。農民一揆とは違い、幕府の元役人という“身内”が起こしたという動揺だ。この事件を境に全国で同様の反乱が頻発。危機感を持った幕府の「天保の改革」も失敗に終わり、幕府の権力は衰退の一途をたどっていく。
時代も国も背景も違うが、あすで2週間になるロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱も「身内の乱」という点において同じではないか。そして1日足らずで終わったという点も。撤退後、ベラルーシに渡ったとされる創設者のプリゴジン氏。音声メッセージは公開されたが所在は不詳のままである。
今回プリゴジン氏によってあけられた「蟻の一穴」は文字通り「一穴」のままで終わるのか、それともことわざにあるようにプーチン政権という「千丈の堤」を崩す遠因になるのか。いずれにせよ、ウクライナ侵攻の終息に結びつくものとなればいいのだが。
大坂町奉行所の元与力で陽明学者の大塩平八郎が、大飢饉(ききん)にあえぐ民衆の救済や、町奉行による腐敗した幕政改革を掲げ門人らと暴動を起こした。自宅に火を付けてコメを買い占めていた豪商宅などを襲撃したが、わずか半日で鎮圧され大塩は潜伏先で自害した。
反乱は失敗に終わったが、幕府に大きな衝撃を与えた。農民一揆とは違い、幕府の元役人という“身内”が起こしたという動揺だ。この事件を境に全国で同様の反乱が頻発。危機感を持った幕府の「天保の改革」も失敗に終わり、幕府の権力は衰退の一途をたどっていく。
時代も国も背景も違うが、あすで2週間になるロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱も「身内の乱」という点において同じではないか。そして1日足らずで終わったという点も。撤退後、ベラルーシに渡ったとされる創設者のプリゴジン氏。音声メッセージは公開されたが所在は不詳のままである。
今回プリゴジン氏によってあけられた「蟻の一穴」は文字通り「一穴」のままで終わるのか、それともことわざにあるようにプーチン政権という「千丈の堤」を崩す遠因になるのか。いずれにせよ、ウクライナ侵攻の終息に結びつくものとなればいいのだが。