焦眉の急ではありません
2023年7月17日
インターネットに「すわ事件って、どんな事件ですか」という質問が投稿されているのを見て笑った。投稿者は比較的若い世代の人で、昔の雑誌か何かで「すわ事件か」といった文を目にしたのではないか。
「すわ」は、突然の出来事に驚いたときなどに用いる感嘆詞。確かに今では死語となった感がある。ドラマでよく見る、重大事件の一報が入って刑事たちが大急ぎで現場へ向かうといった状況などで使われた。もうひとつ「すわ」が合う状況といえば火事だろう。
火が総じて人を慌てさせることは、ことわざからも見て取れる。「尻に火がつく」というのは、物事が切迫した様子を表す例えだし、差し迫った危機、もしくは急務のことは「焦眉(しょうび)の急」という。「焦眉」とは「眉を焦がすほどに火が近くまで迫ってきている」ことをいう。
同じく「差し迫っている」意味では「火急の用」なる言葉もある。国民からすれば特に「焦眉の急」でも「火急」でもないのがマイナカードと健康保険証の一体化だろう。カードを巡っては、先週も新たなトラブルや国の不手際が報じられた。そこには国に翻弄(ほんろう)される地方自治体の姿も見えてくる。
それでも国は「来年中の健康保険証の廃止」にこだわる。高まる国民からの非難の声や増加するマイナカード返納といった現実。それらが逆に国の”闘志”に火をつけているわけではないだろうが、もしそうなら、いったんその火を鎮めることこそ火急では。
「すわ」は、突然の出来事に驚いたときなどに用いる感嘆詞。確かに今では死語となった感がある。ドラマでよく見る、重大事件の一報が入って刑事たちが大急ぎで現場へ向かうといった状況などで使われた。もうひとつ「すわ」が合う状況といえば火事だろう。
火が総じて人を慌てさせることは、ことわざからも見て取れる。「尻に火がつく」というのは、物事が切迫した様子を表す例えだし、差し迫った危機、もしくは急務のことは「焦眉(しょうび)の急」という。「焦眉」とは「眉を焦がすほどに火が近くまで迫ってきている」ことをいう。
同じく「差し迫っている」意味では「火急の用」なる言葉もある。国民からすれば特に「焦眉の急」でも「火急」でもないのがマイナカードと健康保険証の一体化だろう。カードを巡っては、先週も新たなトラブルや国の不手際が報じられた。そこには国に翻弄(ほんろう)される地方自治体の姿も見えてくる。
それでも国は「来年中の健康保険証の廃止」にこだわる。高まる国民からの非難の声や増加するマイナカード返納といった現実。それらが逆に国の”闘志”に火をつけているわけではないだろうが、もしそうなら、いったんその火を鎮めることこそ火急では。