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統計から見える日常

2023年7月28日
 「小学生のランドセルが重すぎる」との声が聞かれるようになって久しい。学校用品などを手がける企業が一昨年、1~3年生を対象に実施した調査によると9割を超える児童が「重く感じている」という。

 重さの平均は3・97キロだった。そんな「ランドセル重すぎ問題」を数字だけでなく他のものと比較することで、より“見える化”したのは宮崎市・小戸小2年(昨年の応募当時)の井上龍太郎君。「どれだけおもい? おねえちゃんのランドセル」と題して調べた。

 5年生のおねえちゃんのランドセルは4・7キロ。それと自分が生まれたときの体重や、炊飯器といった日用品の重さを棒グラフにして比べた。その結果掃除機の5キロが最も近かった。井上君はさらに教科書がタブレットになればどれだけ軽くなるかについても調べている。

 県が毎年行う「統計グラフコンクール作品展」の入選作の一つである。小学生から大人までを対象としており、30日まで県立図書館で展示している。小学1、2年の部で「県知事賞」を受賞した宮大付属小1年・福留孝仁君は、給食に使われている材料を調査。時間をかけて実に丁寧に調べている。

 ほかにも「プラごみ」や「小倉百人一首」などユニークな題材の作品が並ぶ。県は、9月1日まで本年度の作品を募集中。世代を問わず挑戦してみるのもいいかもしれない“夏の自由研究”である。統計を取る過程で見えてくる日常の新たな視点もあるだろう。

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