大地震は予知できるか
2023年8月2日
南海トラフ巨大地震はいつ、どのくらいの規模で起きるのか―。日夜、地震や地殻変動の研究を進めている機関が身近にある。宮崎市加江田、京都大学防災研究所付属地震災害研究センターの宮崎観測所だ。
施設の見学会「京大ウィークス」に申し込み、初めて研究の最前線に触れることができた。以前参加した知人から「勉強になる」と聞いていたが、新型コロナの影響で4年ぶりの開催だ。目玉は地殻変動を観測する坑道。裏山にトンネルが三角形に掘られている。
3辺に40メートルある金属の棒が地面と平行に設置され、わずかな地面の伸び縮みを計測できる。トンネルにあるのは気象条件の影響を受けにくいためだ。年中18度くらいで、今は涼しい。2018年3月に霧島・新燃岳が噴火した際には、地殻変動の時間変化を捉えたという。
日向灘に現在15基沈められている球状の海底地震計も珍しかった。巨大地震は、断層がゆっくり滑る「スロー地震」が連動しているといわれる。日向灘はそれが活発な地域。海底観測によって、プレート境界の浅い部分で起きるスロー地震の詳細が解明されつつあり、宮崎観測所は重要な研究拠点だ。
ただ講演した伊藤喜宏准教授は「結論から言うと(南海トラフは)予知できない」とばっさり。それでも短期的な予測ができれば「避難行動を促せられる」として観測の継続と解析の大事さを説明した。地道な研究が実って予測の精度が高まることを願っている。
施設の見学会「京大ウィークス」に申し込み、初めて研究の最前線に触れることができた。以前参加した知人から「勉強になる」と聞いていたが、新型コロナの影響で4年ぶりの開催だ。目玉は地殻変動を観測する坑道。裏山にトンネルが三角形に掘られている。
3辺に40メートルある金属の棒が地面と平行に設置され、わずかな地面の伸び縮みを計測できる。トンネルにあるのは気象条件の影響を受けにくいためだ。年中18度くらいで、今は涼しい。2018年3月に霧島・新燃岳が噴火した際には、地殻変動の時間変化を捉えたという。
日向灘に現在15基沈められている球状の海底地震計も珍しかった。巨大地震は、断層がゆっくり滑る「スロー地震」が連動しているといわれる。日向灘はそれが活発な地域。海底観測によって、プレート境界の浅い部分で起きるスロー地震の詳細が解明されつつあり、宮崎観測所は重要な研究拠点だ。
ただ講演した伊藤喜宏准教授は「結論から言うと(南海トラフは)予知できない」とばっさり。それでも短期的な予測ができれば「避難行動を促せられる」として観測の継続と解析の大事さを説明した。地道な研究が実って予測の精度が高まることを願っている。