関東大震災から100年
2023年9月1日
きょうは二百十日(にひゃくとおか)。雑節の一つで、立春(今年は2月4日)から数えて210日目にあたる日だ。稲が開花する大事な時期である一方、台風に見舞われることが多く、特に農家にとっては厄日とされている。
この「稲の開花と台風が重なる」ことを踏まえた上で、二百十日を「日本人が不安を抱いて待つ日」と、100年前に書いた外国人がいる。ポール・クローデル。フランス駐日大使で詩人、劇作家でもあった。「炎上する二都市を横断して」という文の中にある。
タイトルにある「炎上する二都市」とは東京と横浜。クローデルはまさしく二百十日に起きた関東大震災(正確にはこの年の二百十日は9月2日)で壊滅的な被害を受けた2都市の状況を詳しく記し「日本での外国人の50年来の成果は、数時間で崩壊した」と嘆いている。
一方で、被災した日本人の行動について高く評価した記述も。「夜の東京、横浜間を長時間歩いた間も、生存者を収容する野営地で暮らした間も、私は不平の声ひとつ耳にしなかった」。クローデルは「日本人は家や家具を状況に適応させたのと同じように心までも適応させてきた」と評している。
もちろんそんないいことばかりではなく、略奪やデマの流布、朝鮮人の虐殺など闇の部分も数多くある。反省すべきは反省し、誇りにすべき点は次世代へと引き継ぎ、止めることはできない次なる災害に備える。100年の大きな節目に肝に銘じたいことだ。
この「稲の開花と台風が重なる」ことを踏まえた上で、二百十日を「日本人が不安を抱いて待つ日」と、100年前に書いた外国人がいる。ポール・クローデル。フランス駐日大使で詩人、劇作家でもあった。「炎上する二都市を横断して」という文の中にある。
タイトルにある「炎上する二都市」とは東京と横浜。クローデルはまさしく二百十日に起きた関東大震災(正確にはこの年の二百十日は9月2日)で壊滅的な被害を受けた2都市の状況を詳しく記し「日本での外国人の50年来の成果は、数時間で崩壊した」と嘆いている。
一方で、被災した日本人の行動について高く評価した記述も。「夜の東京、横浜間を長時間歩いた間も、生存者を収容する野営地で暮らした間も、私は不平の声ひとつ耳にしなかった」。クローデルは「日本人は家や家具を状況に適応させたのと同じように心までも適応させてきた」と評している。
もちろんそんないいことばかりではなく、略奪やデマの流布、朝鮮人の虐殺など闇の部分も数多くある。反省すべきは反省し、誇りにすべき点は次世代へと引き継ぎ、止めることはできない次なる災害に備える。100年の大きな節目に肝に銘じたいことだ。