吉凶併せ持つ花
2023年9月19日
きのうも各地で最高気温が30度を超えた。その暑さの中、宮崎市の阿波岐原森林公園に行った。毎年今ごろまで鳴いていたか、それとも最近の異常な暑さのせいか、待っていたのはツクツクホウシの大合唱。
お目当ては13日付本紙に載ったヒガンバナ。「20日前後が見頃」と記事にあった通り「はなしょうぶ園」のほとりで今を盛りと咲いていた。別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」。字を見ただけで、仏教に関係する花であると想像がつく。「天上界に咲く小さな赤い花」という意味。
「死人花(しびとばな)」など縁起の悪い異名もあるが、国語大辞典によると、この花を見る者は自然に悪業から離れるという。「リコリン」という猛毒を含んでいるが日本では球根のすりおろし汁を湯飲みの水に一滴入れ、ジフテリアの症状の治療に使ったという民間伝承も残っている。
吉と凶、毒と薬という性質を併せ持った面白い花。秋の訪れを実感させるという以外に、一面性だけでは語れないところにも、この花の魅力があるのか。〈そのあたり似た草もなし曼珠沙華〉〈草むらや土手ある限り曼珠沙華〉。どちらもきょうが没後121年目の命日である正岡子規の句である。
まるで夏と秋がせめぎ合っているかのような現在。朝、夕は秋だが、昼はまだ夏が優勢と言わざるを得ない。気温はそうだが昼と夜の長さに関しては、これはもう一方的に秋が夏を追い込んでいる。今週末には昼夜の長さが同じになる。そして明日は彼岸の入り。
お目当ては13日付本紙に載ったヒガンバナ。「20日前後が見頃」と記事にあった通り「はなしょうぶ園」のほとりで今を盛りと咲いていた。別名「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」。字を見ただけで、仏教に関係する花であると想像がつく。「天上界に咲く小さな赤い花」という意味。
「死人花(しびとばな)」など縁起の悪い異名もあるが、国語大辞典によると、この花を見る者は自然に悪業から離れるという。「リコリン」という猛毒を含んでいるが日本では球根のすりおろし汁を湯飲みの水に一滴入れ、ジフテリアの症状の治療に使ったという民間伝承も残っている。
吉と凶、毒と薬という性質を併せ持った面白い花。秋の訪れを実感させるという以外に、一面性だけでは語れないところにも、この花の魅力があるのか。〈そのあたり似た草もなし曼珠沙華〉〈草むらや土手ある限り曼珠沙華〉。どちらもきょうが没後121年目の命日である正岡子規の句である。
まるで夏と秋がせめぎ合っているかのような現在。朝、夕は秋だが、昼はまだ夏が優勢と言わざるを得ない。気温はそうだが昼と夜の長さに関しては、これはもう一方的に秋が夏を追い込んでいる。今週末には昼夜の長さが同じになる。そして明日は彼岸の入り。