ホーム くろしお

広めたいソウルフード

2023年10月2日
 「夏バテ」にいい食べ物として冷や汁が紹介されているのを見て驚いた。内容にではない。報じていたのが富山県のローカル局の番組だったことだ。個人的に食欲不振の時期だったため、興味を持って見た。

 同県の臨床栄養学の先生が「疲労回復効果が高くても、油の多い食べ物は、消化に時間を要する。このため胃腸に負担がかかる側面がある」と説明。その上で「宮崎県の冷や汁って郷土料理があるんですけど…」と紹介したのは、サバ缶を使った「簡単冷や汁」。

 試食したアナウンサーは「本当に食欲のないときにはぴったりだと思います」とコメントしていた。宮崎から遠く離れた富山県の番組に突然、冷や汁が出てきたので驚いた次第。全く同じものではないが、サバ缶を使用した冷や汁は、8月25日付の本紙でも紹介している。

 この郷土料理が胃腸にやさしく栄養もあることは、多くの県民が知っている。このほど、その魅力をPRする歌ができた。地域活性化に取り組む異業種団体「県おかみさん会連合」が作った「日向冷汁音頭」だ。冷や汁の作り方や、それが栄養豊富であることなどを、軽やかな民謡の調べに乗せた。

 来年以降も厳しい夏になるであろうことを考えると、全国の人に教えたい宮崎のソウルフード。同音頭も含めたPR効果で、いつか「宮崎県の冷や汁って郷土料理があるんですけど」ではなく「ご存じ宮崎の冷や汁」と、県外でも紹介される日がくるといい。

このほかの記事

過去の記事(月別)