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昭和をアップデート

2023年10月19日
 「日本では風呂に入るとき、親子きょうだいが一緒に入ると聞いて、私も日本人に生まれればよかったなあと思いました。そして妹がマリリン・モンローだったらどんなにかよかっただろうと思いました」

 2024年米大統領選への出馬を、つい先日表明したロバート・ケネディ・ジュニア氏。その父親で、かのジョン・F・ケネディが大統領だったときに司法長官を務めたロバート・ケネディ氏が1962年に来日した際、離日直前のスピーチでこう話したという。

 国語学者の金田一春彦さんの著書にあったエピソード。さて、このスピーチ、どう受け取るか。ウイットに富んだ名演説か、それとも―。このときまだモンローは健在。スピーチは拍手喝采だったらしいが、今の時代なら多少の物議は醸したかも―というのは考えすぎか。

 福岡県中間市の福田健次市長が先日、北九州市で開かれた会合で「あいさつとスカートは短い方がいい」と発言。後日「ハラスメントに当たる。時代にそぐわない発言だった」として撤回の意向を示したという。当初「不適切ではない」と言っていたが、家族に諭され一転反省の意を示したらしい。

 「そこまで目くじらを立てなくても」か「もうそういう時代じゃありませんよ」か。少なくとも政治家であれば、その当たり敏感になっておくべきだろう。そもそも手垢(てあか)がつきすぎた文言である。アップデートすべき“昭和的なもの”は、今もそこかしこに。

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