第２次世界大戦が終わったのはいつ？　この問いに日本が戦闘を停止し玉音放送が流れた「８月１５日」と答える人もいれば、米戦艦ミズーリ号艦上で日本が降伏文書に調印した「９月２日」と言う人もいる。

　早い方の「８月１５日」をとったとしても、それからわずか２カ月ちょっとである。１９４５年のきょう国際連合が発足した。当時の新聞を見たが、記事はどこにも載っていなかった。一方、５６年１２月１８日に日本の加盟が認められた際には大々的に報じられている。

　５１カ国でスタート。現在は１９３カ国が加盟する。日本は８０番目の加盟国だ。その目的と原則が記された国連憲章の第１章。「国際の平和及び安全を維持する（略）国際的紛争、または事態の調整、または解決を平和的手段によって（略）国際法の原則に従って実現する」。

　同憲章の前文にうたわれているように、先の２度の大戦の反省に立脚した立派な文言。しかし実効性を伴わなければ、絵に描いた餅になる。１８日に開かれた国連安保理。イスラエルとイスラム組織ハマスに「停戦」を求める決議案が米国の拒否権行使で否決された。大国の思惑に翻弄（ほんろう）される安保理。

　これにより、パレスチナ自治区ガザでの人道危機はより深刻なものとなった。きょう、７８歳の「誕生日」を迎えた国連。人間ならば体のあちこちが”機能不全”となることもあろうが、この組織に限ってはそれでは困る。たくさんの人命が懸かっているのだ。