不寛容がもたらす厄災
2023年11月16日
新型コロナウイルス感染症の5類移行から早いもので半年が過ぎた。日常生活が加速しながら戻りつつある。思えば事態が落ち着くまでの3年間は、現代社会の世知辛さを改めて思い知らされた期間だった。
「自粛警察」「マスク警察」。これらの言葉を初めて目にしたとき、暗たんたる気持ちになった。県外ナンバー車への投石、クラスターが発生した高齢者施設への誹謗(ひぼう)中傷、また店に関しては自粛要請に応じているところにまで非難の張り紙などが張られる始末。
ただでさえ感染におびえ抑圧された毎日を送っていた中で、こうしたニュースに追い打ちをかけられた気になった人も多かろう。あまり知られていないが、きょうは「国際寛容デー」。1995年に採択された「寛容に関する原則の宣言」に基づき、翌96年に制定された。
21年前のこの日に際し当時のコフィ・アナン国連事務総長は「寛容は服従や自己満足、無頓着などと混同されるべきではない」とした上で「私たちはすでに不寛容がどれほどすさまじい暴力の形となって表われ、世界中で死や苦悩を引き起こしているかを目撃している」というメッセージを出した。
アナン氏はまた「一人一人が日々、草の根レベルで不寛容や排除と戦うことが世界的不寛容に打ち勝つ唯一の方法」とも。コロナの総括にはまだ早いがあの非常事態の日々において「他者に対してどうだったか」を、各自が省みる機会ではあるかもしれない。
「自粛警察」「マスク警察」。これらの言葉を初めて目にしたとき、暗たんたる気持ちになった。県外ナンバー車への投石、クラスターが発生した高齢者施設への誹謗(ひぼう)中傷、また店に関しては自粛要請に応じているところにまで非難の張り紙などが張られる始末。
ただでさえ感染におびえ抑圧された毎日を送っていた中で、こうしたニュースに追い打ちをかけられた気になった人も多かろう。あまり知られていないが、きょうは「国際寛容デー」。1995年に採択された「寛容に関する原則の宣言」に基づき、翌96年に制定された。
21年前のこの日に際し当時のコフィ・アナン国連事務総長は「寛容は服従や自己満足、無頓着などと混同されるべきではない」とした上で「私たちはすでに不寛容がどれほどすさまじい暴力の形となって表われ、世界中で死や苦悩を引き起こしているかを目撃している」というメッセージを出した。
アナン氏はまた「一人一人が日々、草の根レベルで不寛容や排除と戦うことが世界的不寛容に打ち勝つ唯一の方法」とも。コロナの総括にはまだ早いがあの非常事態の日々において「他者に対してどうだったか」を、各自が省みる機会ではあるかもしれない。