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走るのは先生? お坊さん?

2023年12月1日
 睦月(むつき)、如月(きさらぎ)、弥生(やよい)、そして卯月(うづき)…。1月から12月までの各月には「和風月名(わふうげつめい)」という異称がある。今はあまり使われないため、卯月ぐらいまでは何とか覚えていても、その先は怪しくなってくる方もいよう。

 1月は正月に親戚などが集まり仲良く過ごすため「睦まじい月」で睦月。如月は「衣更着」とも書き、厳しい寒さに衣を更に重ねて着るから―などそれぞれに意味がある。卯の花が咲く卯月(4月)や秋で夜が長くなるから長月(ながつき)(9月)などは比較的覚えやすい。

 11月の霜月もその名の通りである。11月はまた「神来月(かみきづき)」ともいう。神無月(かんなづき)(10月)に出雲大社に集まった神々が帰って来ることから。さらには「神楽月」。県民には、しっくりくるのではないか。「雪待月」をはじめ、11月には冬本番を迎えるニュアンスのものが多い。

 その11月も終わり、きょうから師走(しわす)。昔は「教師も走る慌ただしい月」などと言われたが、これは日々多忙を極める先生方に失礼というものだろう。「師」は僧侶という説も。11月の「雪待月」に対して、12月は「春待月」。考えてみると1カ月後は、あくまで暦の上ではあるが「春」なのである。

 とはいえ寒さはこれからが本番。22日の冬至に向け日中の長さはより短くなっていく。「一月往(い)ぬる二月逃げる三月去る」とは1~3月の短さを表したものだが、過ぎ去る速さにおいては12月も負けていない。気ぜわしさも増していく。体調にお気を付けて。

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