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今年の漢字に「税」

2023年12月13日
 今年の漢字に「税」が選ばれた。いろいろ予想は挙がっていたが、当てた人は少ないようだ。意外な感もあるが、振り返ると国会等で税金に関わるさまざまな議論や検討が行われたので、なるほどとも思う。

 内閣支持率の低迷に悩む岸田文雄首相が経済対策の目玉として打ち出したのが所得税減税。だれもが減税はうれしいはずだが、防衛力強化へ増税する方針も明らかとなって減税効果には疑問が残る。依然「ばらまきだ」「場当たり的で効果がない」と批判が強い。

 10月から始まったのが、消費税のインボイス(適格請求書制度)。消費税の納税を免除されていた零細事業者やフリーランスは制度に参加すべきか選択を迫られ、県内でもまだ対応を決めかねている人が多い。発注元の企業でも経理の事務負担増に懸念の声が上がっている。

 一般的にはふるさと納税のルール厳格化が関心事だっただろう。県内でも多くの自治体が寄付金額の引き上げや返礼品の変更を迫られた。そんな中、寄付額日本一を誇る都城市で発覚した返礼品の産地偽装。競争は激化の一方だが「宮崎県産」の名を汚さぬよう各自治体の管理体制強化を望みたい。

 税金の使途を決める政治家を選び、正しく執行されているか監視するのは民主主義の根本だ。消費税が8%となった2014年も「税」だったが、政治と金の問題が頻出した年だった。政治資金パーティー券問題で混迷する今、再び「税」を見つめ直したい。

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