忖度と宿痾
2023年12月19日
会社のデータベースで2001年以降「忖度(そんたく)」という言葉がどれくらい紙面に載ったかを調べてみた。この22年間でヒットしたのはおよそ540。だが01~16年はほとんどなく、9割以上が17年の春以降だ。
契機となったのは言うまでもなく「森友、加計学園問題」だ。「忖度」は、17年の流行語大賞に選ばれ、大阪の会社が作った「忖度まんじゅう」もヒット。それまで死語になりかけていた「忖度」は一気に“日の当たる場所”へ躍り出て誰もが知る言葉となった。
同じように最近、あることがきっかけでよく見聞きするようになった「日常生活ではほとんど使われない言葉」がある。宿痾。「しゅくあ」と読む。いつまでも治らない病気、つまり長患いのことだ。そこから派生し「長期間にわたって解決できない困難」という意味も。
この言葉を目にするようになったのは、自民党派閥の政治資金パーティー裏金疑惑に関する一連の報道である。「自民党にとって『政治とカネ』の問題は宿痾だ」といった具合。30年前の政治改革で金権腐敗の根絶を目指したにもかかわらず、今またこんな形でカネにまつわる醜聞が出てくるとは。
「宿痾」には「以前かかった病気」という意味もある。「政治とカネ」の問題はこの30年の間もずっと続いてきた病なのか、それとも一度治ったものの長期政権の弊害で再発したものなのか。とまれ政界の不祥事で脚光を浴びる言葉は「忖度」だけでもう十分。
契機となったのは言うまでもなく「森友、加計学園問題」だ。「忖度」は、17年の流行語大賞に選ばれ、大阪の会社が作った「忖度まんじゅう」もヒット。それまで死語になりかけていた「忖度」は一気に“日の当たる場所”へ躍り出て誰もが知る言葉となった。
同じように最近、あることがきっかけでよく見聞きするようになった「日常生活ではほとんど使われない言葉」がある。宿痾。「しゅくあ」と読む。いつまでも治らない病気、つまり長患いのことだ。そこから派生し「長期間にわたって解決できない困難」という意味も。
この言葉を目にするようになったのは、自民党派閥の政治資金パーティー裏金疑惑に関する一連の報道である。「自民党にとって『政治とカネ』の問題は宿痾だ」といった具合。30年前の政治改革で金権腐敗の根絶を目指したにもかかわらず、今またこんな形でカネにまつわる醜聞が出てくるとは。
「宿痾」には「以前かかった病気」という意味もある。「政治とカネ」の問題はこの30年の間もずっと続いてきた病なのか、それとも一度治ったものの長期政権の弊害で再発したものなのか。とまれ政界の不祥事で脚光を浴びる言葉は「忖度」だけでもう十分。