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「推しがテーマの漫画」を推す

2023年12月25日
 何年ぶりだろう。きのう高千穂町の荒立神社に行った。ご存じ芸能の神様アメノウズメノミコトが祭られ多くの芸能人が訪れる神社だ。拝殿の前にある、七つの御神恵を拝受できるという板木を木槌(きづち)で打つ。

 「木の板を槌で叩(たた)くと一拝の効果があるんだって!」。漫画に登場する女性のせりふが頭に浮かぶ。連載開始から3年目の今年話題になった「【推しの子】」だ。「ネット流行語100」の年間大賞に選ばれ、YOASOBIが歌うアニメの主題歌は大ヒットした。

 前世の記憶を持ったままアイドルの子どもとして生まれた双子の兄妹を主人公に芸能界の舞台裏などがリアルに描かれる。コメディーやサスペンスの要素も盛りだくさんで、これまでに刊行された13巻を一気に読んだ。高千穂は冒頭と中盤のとても大事な場面に出てくる。

 昨年公開されたアニメ映画「すずめの戸締まり」も、本県が舞台の一つとなった。また、主人公「岩戸鈴芽(すずめ)」の「すずめ」について「アメノウズメノミコトのウズメから取った」と新海誠監督が話したほか、登場する港町の風景などから日南市がモデルではないかと話題になったのは記憶に新しい。

 社会現象になった「【推しの子】」も、ネットなどでは「なぜ高千穂が舞台なのか」といった考察で盛り上がっているようだ。まだ完結はしておらず、地元びいきの観点からこの作品を最後まで”推し”ていくことにした。さらなる高千穂の登場を願いつつ―。

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