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創作四字熟語

2023年12月26日
 やはりアレだった。住友生命保険が募集する、その年の世相を反映した「創作四字熟語」。今年の最優秀作品は「アレ貫徹」。元の言葉は「初志貫徹(かんてつ)」で、38年ぶりとなるプロ野球・阪神の日本一を表した。

 2万点超の食品値上げで百花繚乱(ひゃっかりょうらん)ならぬ「百価騰乱」、電気代も上がり節電を強いられた電光石火ならぬ「電高節夏」。そんな中、給料がけっこう上がって喜んだものの物価の値上げに追いつかず意気消沈ならぬ「一気昇賃」―など、物価高に関するものが目立った。

 過去の作品と比較すると、時の流れが実感できる。例えばコロナ。2020年の「医師奮診」(獅子奮迅(ししふんじん))、21年の「七菌八起」(七転八起)、昨年の「遠客再来」(千客万来)=水際対策緩和=ときて今年の5類移行でようやくマスクを外せ「歯顔溢笑(いっしょう)(破顔一笑)」。

 ちなみに「今年の漢字」になった「税」は四字熟語にも。今年の入選作の「適税適書」(適材適所)は、言うまでもなくインボイス制度。消費税の増税が決まった12年には「税途多難」(前途多難)、発泡酒が増税となった03年は発砲酒税ならぬ「八方取税」など笑える中にも納税者の恨み節がちらり。

 気が早いが、来年の熟語を予想した。国際社会の努力が実を結び、紛争が終わる「終争結実」…うーん苦しい。元の熟語は「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」。刑罰などが厳かなことで、検察官のバッジの象徴でもある。その姿勢でもって今の政治とカネの問題を追及してほしい。

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