〈世界は誰かの仕事でできている。〉とは、以前放映されていた缶コーヒーのＣＭのキャッチコピー。なるほど―と、思わずうなずいた。当たり前のことでも改めて言われるとハッとさせられるものである。

　そういえば昔〈東京の夜景は残業でできている〉というフレーズを目にしたことがある。確かに「２４時間働けますか」のバブルの頃はそうだったかもしれないが、働き方改革やなんやかんやで残業が昔ほどなくなった今ではどれくらいが残業の明かりなのだろう。

　ただ、年も押し迫った今、大都会の明かりは確実に減っていよう。仕事納めでビジネスに伴う明かりは消え、古里や旅行先への移動に伴って住家の明かりも…。コロナが５類に移行して初めてとなる年末であれば、なおさらのことである。帰省ラッシュがピークを迎えた。

　そういえばもう一つキャッチコピーを思い出した。〈帰省ラッシュって、親孝行な人たちの波なんだ。〉―。帰省ラッシュをつくるのは人の波に限らない。車の列もしかり。「東名」など都会の高速道は毎年、大渋滞だ。ちなみにきのうの昼、九州自動車道を走ってみたがさほど車は多くなかった。

　きょうあたりは、結構多いのではないか。移動される方はくれぐれもお気を付けて。事故でも起こせばそれこそ「親孝行」どころではなくなる。一般道の混雑も要注意だ。何かにせき立てられるような気になる時期だからこそ、心に余裕を持って。車も人も。