勝ち負けのないゲーム
2024年1月10日
![](https://www.the-miyanichi.co.jp/contents/media/9/epressimg.jpg)
「大勢で楽しめるトランプを持ってきてと言ってたのに」とぶつぶつ小言を言いつつも、ルールを聞いてゲームを始めたら、これがおもしろいこと。夜遅くまで何度も繰り返した。と言うと知略を尽くす、競技性の高いゲームと思われるかもしれないが全く逆だ。
ルールは案外簡単。1から100までの数字のカードが数枚ずつ参加者に配られた後、例えば「怖いと思うもの」といったテーマが与えられる。そして話し合い。参加者は与えられた数字に合わせて「怖いもの」を言葉で表現し、低い数字と思われる人からカードを出す。
主観的なテーマだからみんなが共感できる表現が求められる。個性や価値観がいや応なしににじみ出るので互いの理解が進む。低い数字から全員がカードを出し切れば、ゲームをクリアした達成感を全員で味わえる。参加者間の勝ち負けはなし。優劣がつかないゲームはいかにも“今どき”と思う。
最初、順位をつけない最近の小学校のかけっこを連想した。勝負を避ける傾向と捉えることもできるが、互いの人格を重んじる意識の表れと思うとすがすがしい。県内各地で新成人の力強い抱負が聞かれる。共感力の強い若者が世界をどう変えるか楽しみだ。