この時期、スーパーに行くと、お菓子を中心に受験生向け合格祈願の商品が目に付く。「勝っぱえびせん」に「カナエルコーン」、スナックの「自分に勝ツカレー味」、さらには「勝ちグミ」なるグミなども。

　笑ったのが、昭和からある定番の海苔（のり）の佃煮「アラ！」が「アレ！」になっていて、ラベルがトラの模様になっていたこと。３８年ぶりの”大勝利”にあやかれるか。また、はちみつうめ味の「合格する梅（ばい）」なるポテトチップスは太宰府で実った梅を使っているという。

　その梅を収穫したのは地元の高校生というから、同世代の受験生へのエールということになろう。験（げん）を担いで、そうしたものを夜食にしながら勉強に励んだ受験生もいるのでは。先週末に県立図書館に行ったら受験生とおぼしき多くの学生が参考書などに向き合っていた。

　その表情の真剣さと集中力に気圧（けお）され、足音をたてて近くを通るのもためらわれたほどだ。いよいよきょうとあす、大学入学共通テストが行われる。これまで積み重ねてきた努力の成果が余すところなく発揮されますように。ここにきてやはり心配なのは、能登半島地震で被災した受験生のことだ。

　被災によって欠席した場合は追試験の機会が与えられるといった救済措置はあるものの、年明け後の追い込みの期間に集中できる環境になかった生徒もいるだろう。精神的にも苦しいと思うが、今は目の前のことに集中し、ベストを尽くしてほしいと切に願う。