一息つけない小正月
2024年1月15日

ここでいう「十五日」とは、1月15日のことだ。この日は「小(こ)正月」といって、その年の最初の満月の日。正月三が日、または元日から7日までを「大(おお)正月」と呼ぶのに対し、満月はめでたいものとされてきたことから、この日を「小正月」と呼んで祝っていた。
もちろん初の満月といっても、旧暦の上でのことなので、今夜が満月というわけではない。今年最初の満月は26日なのでまだ先だ。小正月の行事の中でもよく知られているのが「どんど焼き」。門松や正月飾り、しめ縄、書き初めなどを燃やし一年の無病息災を祈願する。
歳時記によると、小正月は「女正月」ともいって女性のための正月とされた。暮れから正月にかけて家事に忙殺された女性がようやく一息つける日。江戸中期の言葉という。冒頭の川柳は、この女正月を念頭に作られており、それを踏まえると年末年始のバタバタからの解放感がより伝わってくる。
「今年こそいい年に」との願いむなしく元日に起きた大地震。国内がいまだ浮き足立つ中、気がつけば1月ももう半ばだ。1年の24分の1が過ぎたことになる。本来なら全国、男女を問わず一息つきたい時期ではあるが、それがかなわぬ被災地の人々である。