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震災と子ども

2024年1月17日
 大規模な自然災害が発生するたびに、自らの災害対策が不十分なことを認識させられる。今回の能登半島地震でもそうだが、家具の転倒や避難時のルート、持ち出し品などについて改めて点検したいと思う。

 ただ、どうしても自分中心で家族、特に子どもの立場からの対策まで気が回らないものだ。住生活関連事業を手がけるLIXIL住宅研究所が最近、未就学の子どもがいる20歳以上の女性を対象に「子ども目線での地震対策」に関するアンケート調査を実施した。

 調査結果によると、住居における子ども目線での地震対策はほぼ大半が必要性を感じているとしながらも、何らかの対策を行っているのは約6割にとどまった。内容は「子どもの寝る場所に家具などが倒れないようにしている」、「落下物を置かない」などが上位だった。

 非常用持ち出し袋に入れている物を複数回答で聞いたところ、子どものための食べ物、おむつやおしり拭きなどの衛生用品がそれぞれ約3割、子供用の防災ずきんやヘルメットは約2割だった。同研究所は「避難所生活に備え子どもに必要となる物をできるだけ準備しておきたい」と提言している。

 今日で阪神大震災から29年。東日本大震災の後もそうだったが、子どもたちにストレスがたまって不登校やいじめが増加したという。心理的な面でも震災が子どもたちの成長に悪影響を与えることを考えると、少しでも負担を減らす手だてを考えておきたい。

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