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復旧へ少しずつ、少しずつ

2024年1月20日
 まだまだほんの少し。ほんの少しではあるが、日が着実に長くなってきたのを感じることがある。日の入りの時間を昨年12月22日の冬至と比べてみたら、きょうの時点で20分ほど昼の時間が長くなっている。

 日の長さだけでいえば季節が春へと向かっていることを実感できる一方、寒さはというと今の時期がピークだ。冬至を過ぎると土中から「陽」の気が戻り始め、地上ではこれを嫌う「陰」の気が抵抗するために寒さが増すといわれる。きょうは二十四節気の大寒。

 この大寒を挟んで、1月6日の小寒から2月3日の節分までを「寒の内」といい1年の中で最も寒さが厳しい。とはいえ宮崎市に限っていえば、小寒以降「厳しい」というほどの寒い日はあまりなく、きのうも比較的暖かかった。温暖化の影響なら手放しでは喜べないが。

 一方、地震に見舞われた北陸地方は容赦ない寒さが追い打ちをかけているようだ。17日付本紙に雪に覆われた被災地を撮った写真が載っていた。寒さにはある程度慣れているであろう北陸の人でも、避難所生活を襲う寒さは身も心も凍るものに違いない。せめて現地が本県くらい暖かければと思う。

 先の見えないトンネルの中ではある。それでもきのうは、孤立した集落の住民の避難がほぼ完了するなど、それこそ「まだまだほんの少し」だが復旧に向け進み始めた。〈大寒の日より展(ひら)けてゆく未来〉(稲畑汀子(ていこ))。今年の大寒がそんな日になればと願う。

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