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オールジャパンで

2024年2月6日
 能登半島地震では、発生直後から専門性を持った民間のボランティアが活躍している。先日、認定NPO法人「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク」の栗田暢之代表の講演を、オンラインで聞いた。

 トイレの問題をはじめ現地入りした人にしか分からない被災地の切実さがひしひしと伝わってきて有意義な時間だった。栗田さんは「専門性があるNPOには、もっと現地に入ってほしい」と呼び掛ける。先月末からは一般のボランティアの受け入れも始まった。

 石川県内から事前に登録したボランティアは先月末時点でおよそ1万9千人にのぼるという。生活再建に向け歩み始めた被災地にとって、心強い存在となるだろう。ボランティアといえばこちらも募集が始まった。2025年大阪・関西万博の運営を担うボランティアだ。

 定員は2万人ほどらしい。共同通信社が先日実施した全国電話世論調査の結果によると「被災地復興を優先して万博を延期するべきだ」と「計画通り実施」が拮抗(きっこう)していた。岸田文雄首相は1日の衆院代表質問で「来年4月からの開催に向けてオールジャパンで着実に準備を進めていく」と答弁した。

 言葉尻をとらえるつもりはないが、大きな苦難に直面する県がある中で「オールジャパン」って―。今年の仕事始めで都城市の池田宜永市長はこう述べた。「(被災地を)オールジャパンで支える必要がある」。こちらの方が使い方としてしっくりくる気が…。

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