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透析患者情報アプリで管理

2024年2月9日
 能登半島地震で最大震度6強を記録した石川県七尾市。ここにある公立能登総合病院で一昨日、人工透析の治療が再開されたというニュースを見た。能登地方にある六つの公立病院の先頭を切っての再開だ。

 人工透析には透析液という液を作る過程も含め大量の水が必要となる。今回の地震では、同県内の多くの医療機関で停電や断水が発生。1月3日付本紙には「公立能登総合病院では断水で人工透析ができなくなり、患者約40人の受け入れ先探しを急いだ」とある。

 地震から1カ月余り。ようやく断水から復旧し再開にこぎ着けた。人工透析に関するグッドニュースがもう一つ。大規模災害など緊急時に備え、人工透析患者が自身の情報をスマートフォンなどで保存、管理できるアプリを宮崎市・佐土原高の生徒3人が開発したという。

 「スモールカルテ」というらしい。県透析医会の監修の下で約7カ月かけて完成させた。患者のアレルギー名、透析を受ける曜日などの情報を保存できるほか、県内の透析可能な病院と電話番号、協議会と同医会のホームページが見られる。県内の病院の場所が分かる地図機能も備えた優れものだ。

 今回の能登の地震のように、ほかの病院に行かざるを得ない事態が生じても、このアプリを活用すれば透析が受けやすくなる。これだけのアプリを開発した高校生に頭が下がる思いだ。県内で浸透することはもちろん、県外でも同様のアプリができればいい。

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